「今回のテーマは“ケンカ”。腕の一本あげてもいいから勝つつもりでしたが……」大沢文也、セーンダオレック戦で見せたい“気持ち”
9・5「REMY presents KNOCK OUT.68 ~KNOCKIN' on the WORLD~」で、セーンダオレックと対戦する大沢文也。
6月の代々木第二大会では、ニカ・パパヴァを相手に敗戦。大沢自身が「予想の何段階も上を来た」「完璧に負けた」と認めるほどの完敗だった。
だからこそ、今回掲げるテーマはいつもの大沢とは少し違う。
「ケンカ」だ。
技術では相手の方が上。それを認めたうえで、技術戦には付き合わず、気持ちと気迫で勝ちにいく。
その背景には、いつか実現させたいパパヴァとの再戦もある。
「どこかでケンカしなきゃいけない時は来ると思う」
普段は“塩試合”も辞さない大沢が、今回は倒すことを優先するという。その真意とは?
パパヴァに「完璧に負けた」。だから落ち込みはしなかった
──前戦、6月の代々木第二大会でのニカ・パパヴァ戦は残念な結果でしたが、あの試合を今振り返ると?
大沢 パパヴァが予想以上に強くて、ちょっとビックリしました。「マジで?」って感じでした。
──予想外の強さで、シフトチェンジが難しかった?
大沢 予想の何段階も上を来ましたからね。
「予想よりちょっと強いな」ぐらいだったら、そこで切り替えられるんですけど、パパヴァは予想のはるか上を行ってたので。
──あの結果を受けて、気持ちの面ではどうだったんですか?
大沢 負けて悔しい気持ちはあったんですけど、落ち込むということはなかったですね。しっかり、ちゃんと負けたというか。
ゲーオガンワーン戦の時は、やりたいことをやらせてもらえなかったわけじゃなくて、ただやらなかっただけだったんですよね。
軍司泰斗がゲーオガンワーンにヒジで切られるのを見ていたので、それでもうテンパっちゃって、切られることが怖くて何もできなくて。
でもパパヴァ戦はそういうのじゃなくて、本当にやりたいこともさせてもらえず、完璧に負けたという感じでした。だから悔しいという気持ちはあったんですけど、落ち込みはしなかったです。
──では逆に、「もっと強くならなきゃ」という気持ちになった?
大沢 そうですね。
前からずっと、ライト級では減量がほとんどないので、スーパーフェザー級に落とさなきゃって言ってたんですよ。
今も落とそうかなとは思ってるんですけど、このままだと負けたままだというのもあるし、どうしようかな、みたいな感じですね。
セーンダオレック戦のテーマは「ケンカ」
──改めて、今回のセーンダオレック戦のテーマというと?
大沢 こういう言い方はあんまり好きじゃないんですけど、「ケンカ」って感じですね。
技術対決ではたぶん勝てないと思うので。
やっぱり僕、ムエタイはすごく苦手なんですよ。正直、メチャクチャ苦手で。
だから技術戦でやり合いたくはないので、しっかりケンカしに行こうかなと思ってます。
──今回はBLACKルールです。BLACKでもムエタイ選手は、やっぱり全然違いますか?
大沢 どうですかね?
でもやっぱり、ヒジも首相撲も気にしなくていいし、ワンキャッチワンアタックぐらいなので、だいぶ変わると思うんですよね。
ヒジがあると距離も全然違いますし、首相撲があったら、中に潜り込んでも組まれちゃうし。
だからやっぱり、全然別物だと思いますね。競技自体がまるっきり違うなと思います。
──今回は大沢選手の土俵でもある。そこでケンカをして勝つということですか?
大沢 そうですね。ケンカしようと思ってます。
でも思ってるだけなので、また、どうなるか分かんないですけど。
「パパヴァに勝つには、ケンカできなきゃいけない」
──今までも「前に出る」「打ちに行く」という宣言はありましたけど、「ケンカする」というのは、それとはまた違いますよね。
大沢 いやホントに、ここ最近ずっと、ケンカしてないんですよね。
というか、プロでケンカした試合ってないんじゃないかなあ……“狂拳”(竹内裕二、2012年10月に対戦し大沢がKO負け)ぐらいかな。
──狂拳戦って、すごい前ですよね(笑)。
大沢 そうっすね、ホントにないんで。
まあ、中二病的な変な意味じゃなくて、いい意味でケンカしにいこうっていう意味なんですけど。
──「コイツとならケンカができる」という相手が、あまりいないということですか?
大沢 いや、そういうわけじゃないんですよ。
だって別に、大谷翔司選手だって、スタイル的にはケンカする相手じゃないですか。性格とかはまた別として。
何というか……いつか来るニカ・パパヴァとの再戦に向けて、やっぱりケンカできなきゃ、パパヴァには勝てないと思うので。
そういうのを見据えて、どこかでケンカしなきゃいけない時は来ると思うんですよ。
例えば、パパヴァ戦の2Rは、最初ちょっとよかったんですけど、相手の気迫というか、圧力というか、そういうので押され負けしちゃったので。
あそこでケンカできてたら、また結果は変わってたと思うし。
だから変な意味のケンカじゃなくて、格闘技の意味でのケンカというか。
「技術は100%相手が上」。だから技術戦はしない
──なるほど。
大沢 しかも相手は技術が高いじゃないですか。絶対、僕よりは100%高いですよね。
そういう相手に技術戦じゃなくて、剛よく柔を制すじゃないけど、技術が高い相手にケンカして勝つ、みたいな感じですね。
──でもセーンダオレック選手は“柔”だけじゃなく、“剛”の部分も持ってるじゃないですか?
大沢 当たんないっすよ、あのパンチは。
──そうですか。
大沢 パンチは当たんないと思います。
パンチだけだったら絶対余裕で勝てるんですけど、蹴りがあるからパンチが当たるっていうのはやっぱりあるので。
ボクシングがうまいんじゃなくて、キックボクシングの中のボクシング、ストレートとか、そういうのがうまいのかなと思うので。
パンチも、大谷さんに聞いたらやっぱり重いって言ってたので、そのイメージはありますよね。
“塩試合”ではなく「今回は倒すことを優先」
──普段の「塩試合宣言」とはかなり違いますね。
大沢 いや、タイ人相手に塩試合するのってキツくないですか(笑)。
タイ人に塩試合で勝てたらメッチャすごいと思いますよ。
──分かります(笑)。
大沢 だから変な話、キックボクサーがUNLIMITEDでMMAファイターに塩試合して勝てたら、すごいじゃないですか。
それと同じく、ムエタイを相手に塩試合ができたら、すごいなと思います。
バカな格闘技ファンとか、ニワカな人たちは「塩試合つまんない」って思うかもしれないですけど、僕はすごいなって思っちゃうんで。
──では、倒すことも考えながら闘っていく?
大沢 考えながらというか、倒すことを考えてます。
今回、倒すことは優先に置いてますよ。
ライト級か、スーパーフェザー級か
──その先は、スーパーフェザー級も考えると。しかしこのキャリアで、勝てなくなってきたわけでもないのに階級ダウンを考える選手って少なくないですか?
大沢 いや、ライト級でもスーパーフェザー級でも闘えるよっていう感じです。
自分的には、KNOCK OUTはその2階級が選手が多いかなと思ってるんですよ。
──確かにそうですね。
大沢 でも龍聖も泰斗もスーパーフェザーにいるから、ちょっと何とも言えないんですけどね。
ただライトの中に入ると、やっぱり僕はちょっと小さいので、世界と闘うのはちょっとキツいのかなと思ったり。
龍聖とよく一緒に風呂とかに行くんですけど、通常体重は僕の方が少なかったりしますからね。
──そうなんですね。
大沢 周りからも、減量して階級を下げた方がいいよとか言われるんですけど、僕は減量したくないんですよ。
だからライト級でやってるというのもあるんです。
コンスタントに試合ができてるのは、減量がないからというのもありますからね。それは知り合いの選手にも言われます。
減量がないと、体への害も少ないですから。
──でも、そこで勝っているわけですからね。
大沢 そうなんですよ。
ライト級で勝っているのは、柔よく剛を制しているからなんです。
それは自分でも思いますね。この階級で、僕よりパワーがないヤツは100%いないんで。
そこで勝てているのは、やっぱり柔よく剛を制しているからなんだと思いますよ。
大谷翔司が勝った相手には「絶対負けられない」
──今回は記者会見でも「個人的な理由があって負けられない」と言っていましたよね。
大沢 2つあるんですよ。
一つは、セーンダオレックって大谷さんと1勝1敗で、最後は大谷さんが勝ってますよね。
大谷さんが勝ってる選手には絶対負けられないんですよ、個人的に。今でもライバルだと思ってるので。
──そういうことでしたか。
大沢 もう一つ理由はあるんですけど、それは本当に個人的なことなので、ここでは言わないでおきます。
まあどっちかというと、その2つめの方が大きいんですけどね。
12月は再びUNLIMITEDへ「ベルトも欲しい」
──今回の試合は9月上旬ですが、ここで勝って、年内はまだ試合したいですよね?
大沢 やりたいですね。
4月の試合の時に、「これが終わったらしばらくUNLIMITEDは休憩します」って言ってたんですけど、12月はUNLIMITEDがやりたいなと思ってます。UNLIMITEDのベルトも欲しいなと思って。
──ほう。
大沢 だって、これは書いてほしいんですけど、チャド・コリンズがライト級に来るじゃないですか。
アレ、誰も勝てないっすよ、日本人は。
だってスーパーライト級でも誰も勝ててないんですよ? ウェルター級でも勝ててないし。
じゃあ誰が勝てるの?って感じじゃないですか。誰も勝てないですよ、日本人は。無理ですよ!
まあ、そういうのもあって、12月はUNLIMITEDをやりたいです。
──前向きなのかどうなのか、分からないですね(笑)。
「腕一本あげるつもりで勝つ。でも腕一本はあげずに勝ちます」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
大沢 大谷戦と一緒じゃないんですけど、気持ちの強いところを見せたいなと思いますね。
僕は左ミドルが得意な選手はすごく苦手なんですけど、ミドルを蹴られて腕が折れても、肉を切らせて骨を断つじゃないけど、右手の一本、捨てるぐらいの気持ちでやりたいなと思ってたんです。
思ってたんですけど……。
──けど?
大沢 試合の2日後に、韓国に行く予定になってるんですよね。
韓国でちょっと、プチ整形しようかな、ボトックス入れようかなと思ってるんで、腕の一本はあげられねえなと思って。
韓国行きが急に決まったんで、やっぱり腕はあげないで勝とうと。
──そうですか(笑)。
大沢 僕ほどメンタルで左右される格闘家はいないと思うんで。
だから、腕一本あげるつもりで勝つけど、でも、腕一本はあげずに勝ちます。
──分かりました(笑)。ありがとうございました!
PROFILE
大沢 文也
所属:ザウルスプロモーション
生年月日:1991年9月11日
出身地:東京都足立区
身長:173cm
戦績:61戦 34勝 (4KO) 23敗 3分 1NC
REMY presents KNOCK OUT.68 ~KNOCKIN' on the WORLD~
開催日時:2026年09月05日(土)
開場: 12:30
開始: 13:00
開催場所:横浜武道館
https://knockoutkb.com/events/remy_presents_knock_out68_knockin_on_the_world

